梅の花がほころび始めています。
皆さんの住んでいる所ではどうでしょうか?
満開になると梅独特の香りがしてくるのですが、近所の梅はまだもう少し・・という
感じです。
その木の下にはいつも人相(?)の悪い猫がどんよりしています。
人相も愛想も悪いのですが、最近背中に皮膚病か怪我をしていて痛そうです。
「大丈夫?」と声をかけると、「ぎにゃー・・・(あっち行け・・)」と言われてし
まいます。(とほほ・・)
「梅は咲いたか・・桜はまだか・・」という噺もあり、今回の誌上レッスンは「桜」
にしました。
百人一首の中の短歌で伊勢大輔(いせのたいふ)という歌人の歌をお借りしました。
「いにしえの 奈良の都の八重桜 けふ 九重ににほひぬるかな」
解釈は・・かつて咲く花の匂うがごとくに繁栄を誇った奈良の古都からその地で育っ
た桜の中でも事に珍しい八重桜が、ここ平安京の宮中に届けられました。
九重の皇居にふさわしくひときわ美しく咲き匂い・・・めでたく嬉しい事ではありま
せんか。
・・・という「桜・・大好き・感激・・」を歌人らしく美しく、たおやかに、時間や
距離感も伝えてくれる一首です。
作り方です。
今回は「銀色の色紙」に書きました。(画材屋さんや書道用品店で入手できます。)
普通、色紙は縦長に使いますが、今回は桜の枝を横に張り出したかったので横長に使
いました。
まず、薄墨で右の下から幹を上に向かって描きます。(少し太い筆を使いましょ
う。)
少しぼこぼこにして描いたら、左に向かって枝を張らせていきます。(ここもぼこぼ
こ・・です)
小枝も描いたら一休みです。
ここで、次に使うピンク・濃いピンク・薄紫・白・・などの絵具を用意しておきま
しょう。
幹がかわいたら「筆しぶき」の技法で桜の花びらを作ります。
筆にたっぷり絵具を含ませ、片手でフリフリします。(要領は「おしゃれな文字アー
ト」を参考にしてみて下さい。)
乾いたら「けふ九重ににほいぬるかな」をおしゃれ文字の要領で書き入れます。ここ
の文字は少し太目です。次の「いにしえの奈良の都の八重ざくら」・・は少し細めの
ふでで細く書き、紙面にアクセントをつかます。
縦に書く時はとにかく真っすぐに・・です。難しいので、レッスンのときはレッスン
用紙に縦ラインを鉛筆で書き、まっすぐに書くようにしてみて下さい。
上手にできましたでしょうか?
早めに作ってかざり、本物の桜の咲くのを待つとしましょう。
ではまた今度は春分の頃にお便りします。
さとだて